子供の喘息への対処法


子供の喘息は、アレルギーをはじめとしていろいろな原因が考えられますが、どんな原因であれ、症状、特に発作が出てしまったとしたら、できるだけ早くその対処をしなければなりません。何しろ、小さい子供が喘息の発作に苦しめられている姿を長時間見ているのはしのびないはずですから、できるだけ早い対処をすることが望まれます。

治療という意味でいえば、当然喘息の原因や病型をしっかりと把握して、これに即した治療を、ある程度時間をかけてじっくりと行う必要がありますが、目の前で発作を起こしているときにそんな悠長なことを言ってはいられません。ですから、まずは病院に連れて行ってあげるというのがその対処へのスタートということになります。

すでに喘息を発症していて、何らかの治療を行っていたというケースであれば、おそらく応急処置用の吸引薬、吸入器、内服薬といった対処が可能になると思いますので、そうした常備品で対処することになると思いますが、これがはじめての発作であったというタイミングの場合には、当然そうした常備品があるはずもなく、そうなると、やはり

お医者さんに診てもらうことが先決

ですので、そういった対処をする必要があるといえるでしょう。

ここで気を付けなければいけないのが、お子さんはこれまで喘息を発症したことがなく、親御さん自身がすでに喘息の罹患者であるといったケースです。このケースですと、「お子さんの応急処置用の薬や器具はないけれど、親御さんの喘息関連グッズはすでに用意されている」ということになると思います。となると、苦しんでいるお子さんの姿を見て、少しでも早くその苦しみを取り除いてあげたいと考えるのは、親であればだれでも当たり前に思うことでしょう。

しかし、そういったタイミングで、ご自身の薬などをお子さんの発作に使用して対処するという方法は、あまりにも危険であるといわなければなりません。そのお子さんがある程度大人に近い年齢であったとするならば、そういった対処も考えられる(もちろん推奨はできません)かもしれませんが、小さなお子さんの場合には、そういった対処は

あまりにもリスクが大きい

といえることになります。

ですから、対処は早いほうがよく、初期的な応急処置は重要であることは間違いありませんが、それでも慎重に行うということだけは原則であり、大前提でなければなりません。病院がお休みなどのケースでは、まずは「絶対安静」が必要になります。

子供の喘息の原因は?


喘息の場合、大人が発症するのと子供が発症するのとではその原因が異なることが多いです。子供の喘息の原因として

もっとも多いのが「アレルギー」

です。アレルギーですから、当然その原因物質である「アレルゲンの特定」が重要な治療の第一歩ということになります。アレルゲンの特定には、血液検査やアレルギーテストなどといったいろいろな方法を採用します。

子供の喘息の原因となるアレルギーのアレルゲンは、主にダニ、ネコやハムスターなどのペット由来のアレルゲンが多いと考えられています。また、花粉ハウスダストなどがアレルゲンとなることも少なくありません。つまり、いわゆる花粉症をはじめとするアレルギー反応が、花粉症ではなく、気管支喘息という形で表れてしまったというケースが、子供の喘息には多いと考えられています。

子供の喘息は、たいていの場合「小児科」で治療を行うことになりますが、アレルゲンの特定に時間がかかったり、あるいは特定できたにもかかわらずその対策の治療がままならなかったりといったケースでは、小児科ではなく、「アレルギー科」で治療をする場合もあります。

喘息の原因に関しては、アレルギーはもちろん、それ以外の多様な原因が考えられますが、喘息にかかってしまうと、今度は「発作」に悩まされなければならないのが喘息のつらいところです。特にお子さんが喘息の発作に苦しんでいる姿を見るのは、見ているだけでそのつらさが伝わってくるくらいですから、できるだけ早く完治させてあげたいという気持ちにさせられます。

で、今度はその「発作の原因」ですが、もちろん

発作の原因に関しても、「アレルギー」は大いに関係

しています。ただ、発作の症状が出るというロジカルな原因がアレルギーであれ何であれ、フィジカルな原因となると、結局のところ「気管支の炎症」が最大の要因になります。つまり、ちょっとしたことですぐに気管支が炎症を起こしてしまうという、一種の過敏症状(広義のアレルギー)であるということになります。

そして、問題なのは、発作が起こっていないときにも気管支の炎症が起こっている可能性が高いというのが、喘息の大きな特徴です。発作が起こっている状態では、気管支が単に炎症を起こしているだけでなく、その周辺筋肉が炎症によってむくんできているというのが最大の原因になっています。さらに、痰がたくさん出ますので、結果として気道が狭窄(きょうさく)して、発作の症状につながるのです。

子供に多いと考えられる喘息


喘息は、大人の病気というよりは、むしろ「子供の病気」というイメージがあります。というよりも、中には「子供特有の病気」であると考えている人もいるようです。結論から言えば、喘息という病気は年齢にかかわらず引き起こされる病気であるということになります。これは間違いなくいえることです。子供だろうが大人だろうが、あるいは高齢者であろうが、条件がそろえば喘息という病気を発症するリスクは誰にでもあるのです。

しかし、それでも子供のほうが喘息という病気にかかりやすいというイメージがあるのは、それだけ喘息の発作に苦しむケースが、子供のほうが多いということがいえることになるでしょう。喘息の本質は「発作」以外のところに実はあると考えられているくらいですから、そういう可能性を視野に入れなければ、やはりどうしても子供特有の病気であるという誤解を招いてしまうのもある意味仕方がないところであるとは思います。

喘息というのは、激しく咳込み、痰が大量に出るという、いわゆる「発作」の状況だけを指すわけではありません。そうした発作が起こっていない状況であっても、たとえばゼーゼーと呼吸が苦しい音を立てたりするという喘息症状が起こることは珍しくないのです。ということは逆に、子供のほうが喘息の「発作」を発症しやすいということも間違いありません

この理由はある程度明確になっています。もちろん抵抗力や免疫力の問題も少なからずありますが、子供の場合、大人のように「こういうときには喘息の発作が出やすいんだよな・・・」といった状況判断がうまくできない場合が多いということが考えられるのです。

たとえば、ちょっと体調が悪くても、学校の体育の授業を休まずに、頑張りすぎてしまうといったケースも、子供特有のものであると考えられます。そういった理由から、子供のほうが喘息の発作を発症しやすい状況にあるということは間違いないでしょう。

喘息の発作を改善するために必要な最低条件は「絶対安静」です。これを遵守できない場合、子供であろうと大人であろうと、喘息の発作はなかなか改善されないということになってしまいます。しかし、そのことをちゃんと理解できない子供は少なくないのです。そういった理由から、どうしても子供のほうが喘息の発作を発症しやすくなるということはいえるのではないでしょうか。

ですから、表面的にではなく、できるだけ深い部分での理解をお子さんに与えてあげる必要が、親御さんにはあるということもいえるでしょう。

夜になると襲ってくる子供の喘息


子供の喘息というと、なぜか「夜になると襲ってくる」というイメージがあります。まあ喘息の発作に関しては、子供であろうと大人であろうと、どういうわけか「夜になると襲ってくる」というイメージが強い気もしますが、これが単なる思い過ごしなのか、それとも何らかの根拠があって夜にそういった状況に陥りやすいのかというところに今回は注目してみたいと思います。

結論からいうと、喘息が夜に襲ってくるということに関しては、単なる印象、思い過ごしではなく、実際にそういう傾向にあることは間違いありません。そしてそこにはちゃんと理由があります。これは、「夜」という時間的なファクターが強い理由であるといえます。これについてちょっと詳しくお話します。

夜の時間帯になると、やはり特にお子さんの場合、学校から帰って学習塾や習いごとなどを終えて、

ひと安心できる時間帯

であるといえます。まあこれは大人でも同じことではありますが、喘息におよぶ影響については大人よりも子供のほうが大きいといえます。で、そうしたリラックスした状態では、副交感神経の働きによって、筋肉が緊張を解くことになるのです。これは一見、喘息にとっても決して悪い状況ではないような印象を受けるかもしれませんが、しかしそうではないのです。

というのも、喘息というのは、気道の炎症によってむくみが起こり、痰の発生などによって気道の狭窄(きょうさく)が起こることによって発症する病気だからです。どういうことかというと、「筋肉の緊張が解かれる」ということは、緊張によって締まっていた気道の筋肉がゆるんで、気道側に筋肉が膨張するような形になるのです。これによって、

気道の狭窄が起こりやすい状況

になってしまうことにもなるのです。

ここに、アレルギーをはじめとする発作のファクターが加わると、すぐに発作として症状が現われることになってしまいます。その結果、夜になると子供の喘息が発症しやすくなるというメカニズムです。もちろん大人の喘息も、夜に起こりやすいわけですが、そのメカニズムとしては子供の喘息と同様です。対処としては、急激な緊張の弛緩が訪れないように、たとえば夕方以降習い事の用事で外出するときには、できるだけ身体を冷やさないかっこうで外出させるなどの対処が必要になります。

ちなみに、入浴後しばらくしてから発作が襲ってくることが多いという話もよく耳にしますが、これもやはり筋肉の緊張が入浴によって緩められた結果の発作であると考えられます。

お風呂の後に起こりすい子供の喘息発作


人間の筋肉が、緊張したり弛緩したりすることはみなさんもご存知かと思いますが、全身の筋肉という意味で言えば、その緊張や弛緩の役割は、「副交感神経」によるところが大きいと考えられています。副交感神経の話をすると、その先が非常に難しくなってしまうので、ここではあまり詳しい話はしませんが、イメージとしてわかりやすく言えば、副交感神経というのは、「精神と肉体の橋渡し」といった役割を担っているといえます。つまり、精神的な緊張が筋肉の緊張を呼び、精神的な弛緩が筋肉の弛緩を与えるのが、副交感神経であるということになります。

お風呂に入ったあと、しばらくして喘息の発作が起こりやすいという話をよく耳にします。そしてこれに関しては、大人よりもどちらかといえば子供のほうがより当てはまるという印象があります。そしてそこにも、実は上で少しふれた

「副交感神経」がかかわってきている

のです。

大人になると、ある程度精神的なプレッシャーにも耐えられるようになるものですが、子供はなかなかそうもいきません。それだけ、副交感神経が盛んに刺激されることにもなりやすいといえます。ですから、精神的な緊張やリラックスによって、副交感神経が刺激されやすい子供のほうが、筋肉の緊張や弛緩につながりやすいといえるのです。

とすると、あたたかいお風呂に入ってリラックスしたときに、より筋肉が弛緩しやすいのは子供のほうであるといえます。そして、それが喘息の発作とかかわってくる可能性が高まると考えられます。浴室に多く含まれるあたたかい湿気、もしくは水蒸気を吸引することでも、リラックス効果が高まりますので、副交感神経の刺激はさらに大きくなります。

すると、緩やかであるとはいえ、筋弛緩が起こって気道の筋肉の膨張が起こります。ということは、気道が狭まりますので、喘息の発作が起こりやすい状況ができてしまうことになります。これが、お風呂のあとに喘息の発作が起こりやすいという根拠になると考えられています。

ただし、だからといってお風呂を休むわけにもいけませんし、また、入浴によるリラックス効果は喘息にもプラスであることは間違いありませんので、発作が怖いから入浴を控えるというのはさすがに神経質になりすぎであるといえます。多少気道が狭くなっただけでは発作には至りません。気管支や気道の炎症がともなわない限り、喘息の発作にはなりませんので、そういった炎症のファクターをいかに封じるかということが、より重要であるといえます。

喘息の症状によって幼稚園を休ませる場合


まだ小さいお子さんの場合、やはりまだどうしても身体の抵抗力が弱いため、私たち大人にくらべれば、やはりどうしてもいろいろな病気を発症しやすいというのが実際のところです。その病気のひとつに、まあこれは小さなお子さんにとってはかなり典型的な病気であるといえるはずの「喘息」が挙げられるでしょう。

最近ではあまり「小児喘息」という言われ方をしなくなってきた印象もありますが、やはりお子さんの喘息というのは昔も今も多くのお子さんが悩まなければならない病気であることは間違いありません。

たとえば幼稚園や保育園に通っているお子さんが喘息の発作に悩まされているというケースでは、発作が鎮静化するまでは幼稚園、保育園を休ませる必要に迫られてしまうということも当然考えられるでしょう。

まあ幼稚園、保育園の場合には、義務教育ではないので、あくまでも第三者としての立場から希望を言わせてもらえば、完治とは言わないまでも、万全に近い状態になるまでゆっくりと休養させてあげるということが望ましいかな、という気がします。

喘息の発作を鎮静化するための最大のファクターは、「安静」です。いくら「身体を動かしてはいけない」と注意を与えたとしても、小さなお子さんがこれを正しく理解できるとは思えませんし、また、幼稚園や保育園の保育士さんに監視をお願いしたとしても、やはり喘息の発作が起こるかどうかまでは判断できないですし、ひとりのお子さんだけに注意を向けているわけにもいかないというのが実際のところです。

それに、そもそも保育士さんはお医者さんではありませんので、喘息の発作がどんな状態であるかを見極めるというところまではさすがにお願いすることはできないでしょう。

ですから、ベストの選択としては、やはり発作が落ち着くまでの間は休養に充てるということになるのではないかという気がしてなりません。もちろん、幼稚園、保育園に通わせてもよいか、それとも休ませる必要があるのかということについて、かかりつけのお医者さんのアドバイスを仰いだほうがよいことは言うまでもありません

まあそうは言っても、親御さんとしては、急に何事もなかったように喘息の発作が治まるわけではないということが理解できる以上、あまりにも長期間を休ませるにはだいぶ勇気が要ることになるでしょう。だからこそ、保育園や幼稚園を休ませるかどうかの判断は相当難しいといえることは間違いありませんし、これに関しては、一般論というのはどこにもないということも理解していただきたいと思います。

子供の喘息の治療のポイント


子供の喘息に関しては、やはり早期治療がその後の経過を良好にするためには非常に重要であるということになります。ただ、中には、「子供は喘息に罹りやすいから、よほどひどくならない限り放っておけば治るよ・・・」などという意見もあります。

確かに、ごく軽度の喘息であれば、思春期までに約7割の喘息が完治するとされていますが、しかし、残りの30%のリスクを考えると、そういった判断はやはりすべきではないといえます。また、もし思春期までに完治できたとしても、病院で治療をすれば、思春期に入る前にもっと早く完治することができる可能性が高まりますので、いずれにしても病院で診てもらうという選択がベストであるといえるでしょう。

これに関しては、子供の喘息の治療に関するもっともベーシックなポイントになります。ここからは、それ以外のポイントについてお話していきましょう。喘息というと、やはり「発作」をどう対処すべきかということになるわけです。発作はいつ襲ってくるかわからないわけですから、これを鎮めるための薬をしっかりと常備しておくということがポイントになります。

もちろんお子さんが喘息にかかってしまったら、まずはしっかりと病院に行き、そこで喘息の原因、病型をしっかりと診断してもらい、お子さんの喘息のタイプに適した薬(基本的には「ステロイド吸引薬」が用いられることになります)を処方してもらうことになります。そしてこれが、発作の対策用として用いられることにもなるわけです。

また、子供にしろ大人にしろ、喘息は「予防」をすることができる病気ですので、発作が起こったときの対処療法としてステロイド吸引薬だけではなく、予防するための薬としても用いることができます。そして、この「予防」こそ、特に子供の喘息の治療のためには非常に重要であるといえます。

近年の薬は非常に効果が高くなってきていますので、しっかりと予防できてさえいれば、発作はそう簡単には起こらないといえるレベルです。ただ、それでも発作は絶対に起こらないというわけではありません。そのときの体調によっては、発作が起こることも想定されます。

ただ、正しく予防していたにもかかわらず、発作が頻発するようなときには、喘息とは何か別の要因が考えられますので、そういった場合にはすぐに病院に行ってお医者さんに相談していただきたいと思います。そして、この部分も子供の喘息の治療のポイントになるといえます。

子供の喘息の治療薬について


喘息であれば、大人も子供も同じであると考えている患者さんもいらっしゃるようですが、子供と大人とでは、やはりあらゆる面で異なる病気であるという認識で治療に臨むことが大切であるといえます。

特に違うのが、「治療薬」です。ときどき、お子さんの喘息薬が切れてしまったときに、親御さんの治療薬を子供につかわせることがありますが、これはできるだけ避けなければなりません。

子供の喘息の治療薬として、多くは大人と同じく「ステロイド吸引薬」を利用することになりますが、やはり「ステロイド」という薬のイメージから、子供につかわせる恐怖感のようなものがあるようです

しかし、自分が使用しているステロイド吸引薬であれば、すでに自分の身体で安全を証明しているわけですから、自分が使用している薬なら子供に使わせても安全であるという錯覚を起こしてしまうようです。

ただ、結論から言えば、それは絶対にしてはいけないことですので、その点には注意していただきたいと思います。それでは、ここからは子供の喘息で用いられているステロイド吸引薬について、その安全性も含めて説明していきたいと思います。

子供の喘息で、大人と同じくステロイド吸引薬をつかうようになってきているのは、我が国だけの話ではなく、世界的な流れであるといえます。つまりそれは、それだけ薬の安全性が多くの国で保障されているということを表しているわけです。日本で流通しているステロイド吸引薬も当然安全性は保障されていると考えて間違いないでしょう。

参考程度にとらえていただきたいのですが、子供の喘息に用いられるステロイド吸引薬には強い副作用があるとされてきた時代もありました。その副作用というのが、「小児の発達障害」という症状だったため、一時はこのステロイド吸引薬は親御さんには忌み嫌われていた時代も確かにありました

しかし近年では、医学、薬学の分野の目覚ましい進化が見られるようになってきていますので、子供の喘息向けのステロイド吸引薬に関していえば、ほぼ100%の確率で、発達障害の副作用は見られないと考えて問題ありません


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